絵画の中のかご③フェルメールの「牛乳を注ぐ女」

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フェルメールの「牛乳を注ぐ女」にもかごが描かれていますね。

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アムステルダム国立美術館 - Wikipedia

「牛乳を注ぐ女」/ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer 1632-1675)

 

1658年頃。

前回のカラヴァッジオから50年ほど後。

同じバロック期の絵画であり前々回の花の絵と同様オランダ絵画の黄金時代の絵画でもあります。

 

描かれた人の姿や暮らしの様子は確かに昔のものですが、瞬間の捉え方がまるで現代的というか自然な感じです。

柔らかい光の中、静かに流れる時間を、その場の空気を動かさないような慎重なシャッターで止めたような絵です。

注いでいる途中の牛乳に集中している、柔らかい「無」表情。

 

身分の高い人の家に雇われている使用人なのだと思いますがなんと美しい色の服でしょうか。

それと白い被り物をしていることがこの女の人の年齢とかいろいろな個人情報みたいなものを消して抽象的にさせているように思います。

ほかのフェルメールの絵にあるような上質な調度品とかも無いしこの場の空気を乱すようなものも無い場面です。

手前のパンのかごと、高いところにかかっている角ばった形のかご。

最近のX線の調査によれば、人物の右下にある小ぶりな暖房器具のようなものの上にももとは洗濯かごが描かれてあったということがわかっているそうです。

他に壁に世界地図も貼られていたとか。

洗濯かごはぜひ見たかったですけど作品としてはこの余白が必要だったのですね。

 

丸いパンが入っているのは2か所に持ち手がついた素敵なかごです。

小さく切り分けたパンと牛乳で作るのは、パンプディング、らしいです。 

www.kyounoryouri.jp

 

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