2016秋・商品化まであとわずか④山の手提げは一周まわって・・・
単純なようでいて、これは地味に難しいと感じている「山の手提げ 大」のリニューアル。進んだり戻ったりしています。
「山の手提げ」は前面の下半分が長方形、上半分が台形になった形が特徴のシリーズで、自分でも気に入って「太縞」柄の「中」型は私の普段使いにしています。
4段で均等に分けられた模様編みと短い持ち手もバランスよく収まっていると思う一品。
「大」型の方も御支持いただいているのですが、この大きさと四角さが気になってしまってリニューアルしたほうがいいのではないかと模索を続けておりました。
前回の記事では角をかなり面取りして四角さを押さえようとしていたのですね。まあまあうまくできていたとは思いますが
でもこれって後に完成した「四角い手提げ2」ととても近くなってしまっていたのですね。かわいいけれどどうなんでしょう、この手提げの特徴が失われているのでは。
この手提げの良さはやっぱり直線的な潔さ。まっすぐストンとした立ち上がりは残すべきなんじゃないかと思いまして、ならば変えられるのは底面の形です。
全く違うものになってしまうような気もするけれど、底面を長方形じゃなくて六角形にしてみるという試みをしてみます。船の舳先のような感じですね。ただし上端の出し入れ口が六角形だとその形をキープしにくいのではないかという不安から出し入れ口が長方形になるように作ってみたサイドの型。試作でザクザクと作っているのでつぎはぎですが。
でもこれって編みあがってみたら前面の平らな部分が長方形になっていました。そりゃそうだ。きれいに納まってはいるけどこれは変。
でも六角形の底編みによって四角とは違う軽やかさは確かに出ていたのでそれを活かすには六角形がそのまま立ち上がった形、出し入れ口も六角形になる形、にするしかないと型を作りなおします。
なんかいい感じではある。
案じていた口の六角形も意外と保持されている。
奥が前回バージョン。手前が新型。
サイドが倒れている&底面も細くなっていることでかなり上に向かって先細な形になりました。試作品の粗さをなくし、微調整をしていけばいいものになりそうな感じもあるのですが・・・
・・・やっぱりこれは別物になった。、と思います。
そして戻るんです。
今までの「山の手提げ」に。(右側)
この秋の試作品づくりはいくつかの商品を同時進行で少しずつ進めてきました。はじめは漠然と頭に浮かんでいたいくつかものがだんだん個性をはっきりさせつつあります。
バスケタルの籐の手提げは文字通りの「四角」に始まって
サイドラインに少しだけ角度をつけた「細面」と「山」、
サイドラインを上端も下端も変化させた「小さめ」、
というところまで来ていたので、
この秋の試作で横幅を広げて、前後にも膨らみを持たせたのが「栗(仮)」になりました。
前後の膨らみは「小さめ」にもフィードバックしています。
四角い手提げをちょっとおしゃれにしたいという気持ちで作った「四角い手提げ2」は、サイドラインの上下少しだけ面取りした形。
こうして並べてみると筋道があるように見えますが、理論的に考えてきたわけではなく自分のできることの中からいい形を探して作ってみて試作を重ねていく中で、形を進展させた意味を探して当てていく作業とでもいいましょうか。
そんな感じで「山の手提げ」を進化させようとする試みは新作2種類に近づいていくか、あるいは新しい方向に逸れてしまうことになりました。
が、新製品を完成させてから戻ってきて見る「山」は、これはこれでよいと思える個性のあるものでありました。一周まわって。
お騒がせしましたが大きく変えずに活かせるように微調整していきます。 六角形はまた何かほかのものに。
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