謎のMADE IN JAPAN。③「GAIAS ARK」。
謎のMADE IN JAPANシリーズは3回目の今回で一応終わりです。
3種類のバッグ、似通ってはいるのですが、少しずつ違う状況の中にありました。
3つ目のバッグは日本での状況が一番わからないものです。
vintage basket purse bamboo handbag clutch by RecycleBuyVintage
とてもはっきりした形の個性的なバッグです。
下半分が固定されたルーバー状の竹による半円形、上半分はビーズのような材を挟み込んでフレキシブルに開け閉めできるようになっています。
形としては「クリ手」のバッグ。
障子とか欄間とか行燈とかバッグ以外の工芸品みたいな雰囲気もあります。
材の雰囲気を見て私が思い出したのはこちら。
多分うちにもあった、竹のおしぼり受け。
ところでこの半円形のバッグ、50年代のヴィンテージものとなっていますが生産国の記載はありません。
販売中、販売済を含めて同じものがEtsyでも数個見つかったのですが、どれもそうでした。
前回前々回のバッグは少なくともjapanの記載はあったので、今回のは出品者の方もわかっていないということですね。
とってもクラシカルモダン。
他で見たことないようなものです。
ですが、やっぱりどこか、このモダンさと唯一無二な感じも含めて前回前々回のバッグに似ているような感じがして、さらに調べていましたら、新品が販売されているのに行き当たりました。
それがこちら。
「GAIAS ARK」という名前で、ロサンゼルスに本社を持つアパレルメーカー「CULT GAIA」が製作販売していました。
商品の説明として日本のクラシックなバッグの複製であると書かれています。
やっぱり日本にルーツを持つもののようです。
でもなんだか名前が不似合かなと。
ガイアはギリシャ神話の最古の大地の女神。(店名でもありますが。)
ARKは聖書の言葉で契約の箱、箱舟という意味。
ARCが円弧という意味なのでそちらにもかかっているかも知れませんが、とにかく日本的なイメージとはかけ離れた名前がついています。
どういう気持ちでこのメーカーが復刻をしているのか、どうもピンと来ないところです。
持ちカットの写真にしてもわりと普通のリゾートカジュアルスタイルです。
一般にクラッチバッグはかなり変わった材質で作られたアクセサリー的なものなどもあるので、そんな感じで受け入れられているのかなとも思います。
さて残念ながら、日本での復刻は私が探した範囲では見当たらず、日本の方がこれについて書かれた記事なども見つけられませんでした。
どんなものをもとにしてどんな経緯で作られたのか、できれば知りたいです。
やっぱり戦勝国が持ち帰った、エキゾチックなお土産系?
日本の竹のバッグは、市場かごや豆腐かごがやっぱりいいものとして生き残っている一方で、和装に持つようなお洒落用の竹バッグはわりと決まったイメージがあってその中にとどまっているような印象があります。
それはそれでいいとは思いますが・・
今回の3種類のバッグを見ていると、スパッと振り切った大胆デザインでも日本らしさもあるような、今の私たちに魅力的に感じられるデザインのヒントがあるように感じます。
余談ですが四角バージョンもありました。
折りたためるようです。
これもいいですね。
Etsy の Vintage 60's Bamboo Wooden Handbag by claudedonohoshop
Etsy の vintage bamboo folding bag by Limbhad
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