国内外のいぐさのバッグを探してみた。
先日アフリカのゴザっぽいかごについて書きました。
ゴザといえば材料はいぐさ。ゴザっぽくはないけれどいぐさでできたバッグ、日本に素敵なものがあります。
岡山の須浪亨商店さんの「いかご」。もとは戦後の闇市に行くとき用で「闇かご」と呼ばれていたとか。
昭和20年〜40年代には買い物かごとしてよく使われていて当時のままの作り方で作っているのだそうです。
実物を見たことはないですが、籐やあけびなどのしっかり形のあるかごバッグと、ラフィアや麻などの柔らかいバッグの中間的な感じでしょうか。「草系」ですね。
色はまさに新しい畳表の色です。畳のように経年変化していくのだそうです。
いぐさはよりをかけて編んであるのですね。手で編んでいるのかと思いきや、機織り機で織ったものを立体に仕立てているのだそうです。
このスクエアな感じ、キチンと整っている感じは織り機によるものなのでしょうか。家内制手工業という言葉が脳裏に浮かびました。
よく見ると横材が2本のところと1本のところがあって、淡いボーダーになっています。持ち手の感じや縁編みの感じもなんとも味わい深い。
ホームページにリストが載っていますが、たくさんのお店でお取り扱いがあります。「iichi」にもお店を持たれていて私はこちらで発見いたしました。
ところで、海外にもいぐさ製のかごがありました。
地中海雑貨とチュニジア製品のお店「DAR YASMINE(ダール・ヤスミン)」さんの「い草コッファ」。
ヤギ革でトリミングされていて丈夫そうです。これは本当に畳風ですね。
お父さんたちが作っていらっしゃいます。
しっかりした格好いいバッグだと思います。色柄豊富です。
A.P.C.のバッグもチュニジア産のいぐさ製でした。伝統の作り方なのですね。
アジア雑貨の「スーリヤ」さんには、可愛らしくてプチプラなバッグがいくつも。ベトナム製でお値段は全て1000円前後です。軽やかな感じですね。
そしてお馴染みの「menui」さんにあったのは、やはりベトナム製のバッグ。いろいろなタイプがありました。
こちらも1000円台〜2000円台というプチプラぶり。なかなか他で見ない柄物だったり無地だったり。
かご編みの材料としてのいぐさを触ったことが、一瞬だけあります。藁細工をしているグループの方々に少しだけ教えてもらっていた時です。
藁は短くて不揃いな葉なので、キッチリと結んだりするところにはいぐさを使っていらしたと思います。
また、かごが編みたいと私が発言していたら、藁でもできるけどいぐさの方がやりやすいということも教えていただきました。確かに藁よりいぐさは全然真っすぐでしなやかでした。
藁は稲作の副産物、いぐさは畳の材料です。
今は稲作も機械化が進んで、お米を作っていても藁に触ることはない場合も多いのだと聞きました。
お米の消費量も減っているようですが、畳のある家はもっとどんどん減っているように思えます。
日本のいぐさのかご、これからもっと貴重なものになっていくのだと思います。
ところで、このブログを始めたころ、100円ショップ「セリア」にあったこのバッグについて書いていました。これもおそらくいぐさですね。
これはいぐさのバッグなんではないかなと思った映画「東京物語」の一コマについても書いています。
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