なかなか不思議な動物型の籐かごバッグの世界
籐工芸のいろいろを調べていると、pinterestで時々出会ってしまう変わり種があります。
動物をかたどったバッグ。
どれもヴィンテージもので、年代が書かれているものはいずれも1950年代、1960年代のものです。
なかでも気になってしまったのがこちら。
etsyで販売されていた50年代の籐のバッグです。
monkey purseということなので猿なのだと思いますが、どちらかというと宇宙人的、そしてこの漂う哀しみ、とてもおいそれと楽しいお出かけに同行させられない雰囲気を持っています。
https://jp.pinterest.com/pin/246149935860374934/
こちらは無邪気な感じの猿、ほどよくデフォルメされていて胴体部分はバッグらしい形をしています。
これぐらいおとぼけな感じにしてもらえばやっと落ち着いてお部屋に置いたり子供に持たせたりできる気がします。
1960's Marcus Brothers Wicker Monkey Clutch by zombiexcupcake
犬の場合こんな感じのお座り型と
https://www.etsy.com/jp/listing/254695169/rare-vintage-wicker-dog-shaped-basket
http://fidmmuseum.org/collections/accessories/item/2003-5-30.html
ダックスフント型があるようです。
https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292486/
https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292430/
海の生物もありますね。
魚はバッグにしやすい形をしている気がするのですけど右のはデザインがこなれてないですね。
https://fancy.com/things/238847813/Wicker.
Reserved...Vintage 1950s Wicker Fish Purse / by lapoubellevintage
このぐらいお洒落にだとアクセサリー的で大きさによっては可愛く持てるかもしれません。
象も装飾的。
もともと象は飾り付けられる存在でもありますもんね。
これは可愛いと思います。
https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292399/
https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292420/
カエルやかたつむり、どこかで見たと思ったら
https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292449/
https://www.etsy.com/listing/224952125/vintage-woven-wicker-rattan-rare-figural?ref=market
ケイト・スペードでもこんな感じのバッグを出しているんですよね。
犬やテディベアもありました。
ある種、籐工芸の伝統ですね。
左はカモノハシかなと思ったんですけど“alligator/crocodile”とのことなのでワニ、ですね。
右のはカメですけどバッグにして驚かすには形が地味ですね。
驚かすのが目的じゃないかも知れませんけども。
Vintage 1950s Wicker Animal Purse / Rare by snapitupvintage
馬のバッグはどれもチェスの駒をかたどっています。
1960年代のもの。
こうなると文化の違いを感じるというか動物をかたどった楽しさというのもないので正直魅力はちょっとよくわからないです。
Vintage 1960's Marcus Brothers Hong Kong White Wicker Rattan Horse Head Purse
https://www.etsy.com/listing/61430662/1950s-1960s-figural-horse-shaped-wicker?ref=pr_shop
どうですか。
なかなか不思議ではないですか。
50年代、60年代のものなのに数多くの写真で見ることができるということはかなりブームであったのではないでしょうか。
とはいえみんながこういうのを持ってお出かけしたというよりは、籐工芸はこんなに楽しい、こんなに自由にどんな形でも作れるというアピールを兼ねてアイキャッチ的に作られていたんじゃないかと思うのですがどうでしょう。
籐は自由なんですよね。
材料となる蔓を均質に加工してあるのでクセがなくて、制約が少なくていろいろな形をつくれるけど編み上がった姿に材料の個性がない。
それで変わった形にしたくなるのかわからないけど、動物をつくるという方向に行かなくても着色したり花をつけたりして特徴を持たせてある例ばかり目につきます。
竹のように作るときの制約が多いものの方が歴史の中でメソッドが出来ていって様式美みたいなものを持つことになりやすいのでしょうか。籐は自由なだけにそういうものを持てないのではないか、とか。
自由を謳歌できるのか中途半端でよくわからないものになるのかは、作り手にゆだねられてしまっているようです。
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