なかなか不思議な動物型の籐かごバッグの世界

moribasket
籐(自分以外の)・柳
このカテゴリ一覧を見る

籐工芸のいろいろを調べていると、pinterestで時々出会ってしまう変わり種があります。

動物をかたどったバッグ。

どれもヴィンテージもので、年代が書かれているものはいずれも1950年代、1960年代のものです。 

なかでも気になってしまったのがこちら。

etsyで販売されていた50年代の籐のバッグです。

monkey purseということなので猿なのだと思いますが、どちらかというと宇宙人的、そしてこの漂う哀しみ、とてもおいそれと楽しいお出かけに同行させられない雰囲気を持っています。

f:id:chibie50:20160602200734j:plain

https://jp.pinterest.com/pin/246149935860374934/

 

こちらは無邪気な感じの猿、ほどよくデフォルメされていて胴体部分はバッグらしい形をしています。

これぐらいおとぼけな感じにしてもらえばやっと落ち着いてお部屋に置いたり子供に持たせたりできる気がします。

f:id:chibie50:20160603003614j:plain

1960's Marcus Brothers Wicker Monkey Clutch by zombiexcupcake

 

犬の場合こんな感じのお座り型と

f:id:chibie50:20160603003654j:plainf:id:chibie50:20160603003716j:plain

https://www.etsy.com/jp/listing/254695169/rare-vintage-wicker-dog-shaped-basket

http://fidmmuseum.org/collections/accessories/item/2003-5-30.html

 

 ダックスフント型があるようです。

f:id:chibie50:20160603003830j:plainf:id:chibie50:20160603003810j:plain

https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292486/

https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292430/

 

海の生物もありますね。

魚はバッグにしやすい形をしている気がするのですけど右のはデザインがこなれてないですね。

f:id:chibie50:20160603004018j:plainf:id:chibie50:20160603003952j:plain

https://fancy.com/things/238847813/Wicker.

Reserved...Vintage 1950s Wicker Fish Purse / by lapoubellevintage

 

このぐらいお洒落にだとアクセサリー的で大きさによっては可愛く持てるかもしれません。

f:id:chibie50:20160602201551j:plain

https://doyle.com/auctions/0105021-couture-and-textiles/catalogue/1125-sparkling-wicker-fish-and-frog-handbags-1950s

 

象も装飾的。

もともと象は飾り付けられる存在でもありますもんね。

これは可愛いと思います。

f:id:chibie50:20160602201602j:plainf:id:chibie50:20160603003945j:plain

https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292399/

https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292420/

 

カエルやかたつむり、どこかで見たと思ったら

f:id:chibie50:20160603003850j:plainf:id:chibie50:20160603003917j:plain

https://jp.pinterest.com/pin/282530576603292449/

https://www.etsy.com/listing/224952125/vintage-woven-wicker-rattan-rare-figural?ref=market

ケイト・スペードでもこんな感じのバッグを出しているんですよね。

犬やテディベアもありました。

ある種、籐工芸の伝統ですね。

左はカモノハシかなと思ったんですけど“alligator/crocodile”とのことなのでワニ、ですね。

右のはカメですけどバッグにして驚かすには形が地味ですね。

驚かすのが目的じゃないかも知れませんけども。

f:id:chibie50:20160603004007j:plainf:id:chibie50:20160603003748j:plain

Vintage 1950s Wicker Animal Purse / Rare by snapitupvintage

Vintage rattan & wood 2

 

馬のバッグはどれもチェスの駒をかたどっています。

1960年代のもの。

こうなると文化の違いを感じるというか動物をかたどった楽しさというのもないので正直魅力はちょっとよくわからないです。

f:id:chibie50:20160603004004j:plainf:id:chibie50:20160602201527j:plain

Vintage 1960's Marcus Brothers Hong Kong White Wicker Rattan Horse Head Purse

https://www.etsy.com/listing/61430662/1950s-1960s-figural-horse-shaped-wicker?ref=pr_shop

 

どうですか。

なかなか不思議ではないですか。

50年代、60年代のものなのに数多くの写真で見ることができるということはかなりブームであったのではないでしょうか。

とはいえみんながこういうのを持ってお出かけしたというよりは、籐工芸はこんなに楽しい、こんなに自由にどんな形でも作れるというアピールを兼ねてアイキャッチ的に作られていたんじゃないかと思うのですがどうでしょう。

 

籐は自由なんですよね。

材料となる蔓を均質に加工してあるのでクセがなくて、制約が少なくていろいろな形をつくれるけど編み上がった姿に材料の個性がない。

それで変わった形にしたくなるのかわからないけど、動物をつくるという方向に行かなくても着色したり花をつけたりして特徴を持たせてある例ばかり目につきます。

竹のように作るときの制約が多いものの方が歴史の中でメソッドが出来ていって様式美みたいなものを持つことになりやすいのでしょうか。籐は自由なだけにそういうものを持てないのではないか、とか。

自由を謳歌できるのか中途半端でよくわからないものになるのかは、作り手にゆだねられてしまっているようです。

 

 

関連記事
SHARE
籐(自分以外の)・柳