あけびのかごバッグを探す。 ⑥秋田・横手、中川原十郎さん、信一さん親子

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あけびのかごは、昔は農閑期や農業の合間に作られていたもので専門の作り手がいたわけではなかったのだと思いますが、明治以降、専業の職人さんという存在も生まれ、その中に、飛びぬけた存在の作り手、歴史に名を残す名工も生まれたのでした。秋田県横手市の中川原十郎さん、信一さん親子です。 

「手仕事フォーラム」の記事。

「秋田 蕗だより」の記事。

 

鎌倉の「もやい工藝」さんで以前開かれた、「あけび蔓編細工の第一人者・中川原信一さんのカゴ展」の記録写真を転載させていただきました。

均等で美しいこだし編みで作られた、「力」のある形ばかりです。 

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こちらでもっとご覧になれます。

鎌倉・もやい工藝

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手提げやかごに混じってこの背負いかごの写真がありました。

こんなに細かいきれいな編み目ではなかったけど、骨董市であけびの小出し編みの背負いかごが売られているのを見たことがあります。

それは素朴なもので農業の特定の用途のために作られたものでした。

持ち手がついた買物かごなどの手提げはこのような背負いかごなどがもとになって生まれたのだそうです。

 

生活の道具だったころのあけびかごが、今の私たちが手にするかごバッグになるまでの間に、中川原さん親子をはじめとした職人さんたちの熟練した技能によって「用の美」を備えた作品としての価値が高められた時代があったのですね。

 

あけびかご細工の第一人者としてその名を冠した中川原信一さんのかごは、ネットショップなどで簡単に手に入るものではないようです。

その価値を知って求める人が増え続け、一般的なところにまでまわってくることはなかなか難しいようで、入荷しましたというお知らせがあったと思ったらすぐに売り切れましたということになっています。

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出典:BEAMS fennica

中川原さんのかごを眺めていると、民芸品、という言葉が浮かんできます。

美術品としての価値やファッション雑貨としての価値を求めてデザインや仕様を追及するのではなく、民具としての品格を保っているという意味で、です。

 

あけびで編まれたかごということは同じでも、生活の道具が民芸品になり芸術作品にもなりファッション雑貨にもなる。

その区別は時代によるのか作り手によるのか使い手によるのか、線引きは曖昧だけれど中川原さんのかごこそは民芸品で間違いないのではないでしょうか。

これを引き継いでいくためにはいろいろ制約がある中で保護されていくことが必要になるのだろうと思います。

その後うかがった展覧会についてです。 

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11月の終わりごろ、またギャラリーKEIANに行ってきました。  「響きあう技 中川原信一×柴田恵」。あけびかごの中川原さんと竹かごの柴田さん、お二人の展覧会です。 午後にお二人のお話し会があったので、午前中から行ってデモンストレーションも見せていただきました。  お二人分じっくり見せていただく時間はなかったので、自分のやっている籐にどちらかといえば近い、あけびの中川原さんの作業を中心に見せて...

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