春は薄色塗装で。
「丸い器 1」では使っていたのですけど、手提げには初めて採用した「薄色塗装」です。
もともとの籐の材料は思いのほか白いもので、編んでいる最中の水に濡れている状態はもうちょっと濃い、木材らしい表情をしていますが、乾くとなんとも落ち着かない白さに戻ります。
また何年か過ぎると自然に色がついてきますがそれには時間がかかります。
なので、不自然な塗装はしたくないけれどごくごく薄い色をつけることにしました。
使っているのは和信ペイントの水性のウッドオイル。本来のこの塗料の使い方とは違っていると思いますがいろいろな塗料を試して辿り着いた方法です。
去年の秋に検討を重ねた顛末はこちら。
無塗装の籐ってかなり白いものです。 はじめて自分で編んだとき意外なほどだと思いました。 見慣れない白さ。 「無塗装」というより「未塗装」という気もしてしまうんですよね・・・ これまであまり意識せずにみてきた籐のものは、自然な塗装をしてあったり、経年変化の色がついていたり、もしくは今はやりの紅籐など蔓のままのものだったりしていたのだと思います。 見慣れの問題だけなら、見慣れたらいいと...
このときできたのが「やや濃い色」です。
このときの塗装については⑧まで長々と書いていますので参考になさる方のみご覧下さい。(いるとは思えないですが。)
左が無塗装。右が今回の薄色塗装。
ただこれだけの差です。並べると差がわかるけど、実物は単体だと右のも無塗装に見えるかもしれないくらいのものです。写真のほんの少しの色の転び、また照明の色によってもわからなくなります。
ベージュというか、薄茶というか、生成りではないけど生成り色というか、ありふれた色ではありますがこれが難しい。
濃くても薄くてもだめで変に黄色が強かったり彩度が低すぎる青ざめた感じでもいやだし微妙です。
水に濡れた状態や経年変化したものの色の濃さを念頭に、色を調合しています。
経年変化したものは色が濃くなると同時に若干赤みがかってきます。その感じがいいのでそれも意識しました。
ウッドオイルの色は「オーク」「ライトオーク」「エボニー」、ほかに「チェリー」や「けやき」もありますが要するに全部茶系です。
でもそれぞれに違う表情をもつこれらの色を調合して、水で何倍にも薄めて使います。「やや濃い色」の方も割合が違うだけで方法は同様です。
この調合の割合、薄める倍率でまた何度もやり直します。軽量スプーンの小さじ(5ml)では大雑把すぎて2分の小さじ(2.5ml)を購入。
薄すぎず濃すぎず、もとの感じの良さを消してしまうベタな茶色にならぬよう慎重に少しずつ理想に近づきました。
材の内部に浸透して硬化し、水分や汚れを寄せ付けにくくなるという本来のウッドオイルの役目もある程度果たします。
モノトーンの服にもデニムにもカラフルな服にも自然に合わせられるような、いい色になっていると思います。春のお出かけにきっと素敵です。
よかったらこちらで。
最初の最初は無塗装、その後、今までは「やや濃い色」と「薄色」の2色展開でやってきた私の籐の手提げです。 なぜ「濃い色」 がないのか。作りたいのは山々でしたがなかなか簡単ではなくて。 でもやっと出せた濃い色塗装の「栗の手提げ」。 今まで何度か塗装について書いていますが、これが籐の塗装の定番!みたいなものは世の中に無さそうなので自分なりにいろいろとやってみています。 籐の、というのでなく「木」の塗装...
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