2016年、籐のかごバッグはどこで買えるのか。②暮らしの道具「松野屋」さん
世間ではあまり見かけなくなった「丸芯」の「籐」のかごバッグ。
どこにあるのか私なりにまとめてみています。
出典:松野屋
「昔ながら」にこだわるつもりはありませんが1回目は昔ながらの金物屋さんでスタートしました。
今回も「昔ながら」の品物ですが、アプローチは違っているようです。
今回のお店「暮らしの道具 松野屋」さんは荒物屋さん。
日本橋馬喰町に卸のお店があり、谷中に小売店があります。
メディアやイベントにも多数登場していて有名です。
出典:松野屋
(松野屋さんとしてのオンラインストアはないようです。)
ホームページには日本各地で作られている「荒物」についてのご紹介があり、長野県の「籐 買い物かご」も取り上げられています。
「長野県北部に伝わるかご細工はいまからおよそ一八〇年前、旅人から伝えられました。はじめは山野に自生するあけびのつるを編んでいましたが、材料が豊富ではないため、その技術をいかし、インドネシアなどから輸入した、籐のかごが盛んに作られるようになりました。」
とのことです。
180年前というと江戸末期。
それほど昔のことではないのに旅人から伝えられたというのが民話みたいで素敵です。
かご類は松野屋さんの店頭でとても目立っていて人気です。
外国のものもありますが日本のものも竹、あけび、胡桃、など種類豊富。
籐の買物かごも定番商品としてカタログに載っています。
店頭で拝見しましたが丸芯の籐の白くさっぱりとした編地が端正で上品です。
おそらく無塗装か艶消しのニスがごく薄く塗られている程度と思われます。
生成り一色というのはいいですよね。
装飾があるのだけれどそれがすごく控えめにあっさりめに見えます。
型を使って編んでいるにしてもほんとにきれいな編み目と整った形。
機械で作られたもののように見えるほどです。
持ち手と、持ち手と本体の接合部も昨日のかごと同じで
機能重視な昭和っぽさを感じさせるものです。
ふっくらした形と急須みたいな持ち手、縄編み、ザル編み、矢羽編みなどを組み合わせるお馴染みのデザインボキャブラリーは「昭和の買物かご」に最も近いスタイルだと思うのですがどうでしょう。
以下写真全て出典:松野屋
籐コヅツ買物かご生成りB(S)小売価格6,200円+税
これが一番好きかな。
籐買物かご 小売価格6,200円+税
こちらだけは新潟県産。
装飾のないシンプルなザル編み。
ヘビーデューティー感もあります。
これに比べると上の二つみたいないわゆる買物かごってやっぱり女性的なんだなあと思います。
籐買物かごGМ小売価格12,000+税
染めた籐との2色使い。
「かけ編み」という編み方ですね。
重厚感がでるので挑戦したい編み方です。
(左)籐角型買物かごМ‐C 小売価格¥7,500+税
(右)籐タマゴ型買物かごS‐C小売価格¥6,500+税
年2回更新の松野屋さんの定番商品カタログ内の1ページ。
松野屋さんが問屋さんでもあるため、ほかの小売店で販売されているのを見かけることもあります。
出典:slowworks
籐小判買物かご生成りA 小売価格7,500円+税
少し大きめですけど私が作っているものにいちばん近いタイプ、買物かごが少しかごバッグ的に変化した感じでしょうか。
「暮らしの道具 松野屋」さんは荒物屋を名乗っていらっしゃいます。
谷中店の「ごあいさつ」がわかりやすいので書き写します。
「大量生産品ではない、美術工芸品でもない。
町工場や農村の職人が作る、素朴な日用品を。
なるべく自然の素材で、求めやすい値段で、使い勝手がよい。
そういう荒物雑貨を松野屋は探し歩いています。」
はっきりとした姿勢と意思表示があります。
こういう柔軟な考えと強い意思を持たずに時代とともに自然と廃れていった荒物屋というものの、意味のある復活が試みられているのだと思います。
松野屋さんセレクトのものを見ていると、デザインという言葉の本当の意味でよいデザインのものがここにあるということを思います。
自然素材や手仕事をことさら重視しているわけではなくて金属でもプラスチックでも
高級すぎずきちんとした品質の真面目なものづくり。
日本の良さとはこういうところにあるのだと思います。
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