編組の丸い器を編むために④花のようで星のようで。
美しいです。
花のようです。
出典:公長斎小菅ホームページ
竹の可能性を広げる、くらしのためのデザイン。 竹を取り入れて涼のある食卓。|特集|EEIE
創業100年を超える京都の竹細工の老舗、「公長斎小菅」さんの「八つ手盛り皿」です。
こちらは竹の鍋敷き。
売り物としては見かけないのですが、結構作りやすいものなのかワークショップなどが各地で行われているようです。
出典:民藝 かりん
愛媛県伊予郡の「民藝 かりん」さんではワークショップの他、竹かご講座というのも開かれていて、鍋敷きやこのようなかわいいかごも教えてもらえるのだそうです。
これは「四海波(しかいなみ)」という編み方。
出典:民藝 かりん
こういうのもあります。
「蜘蛛の巣編み」だそうですよ。
出典:笠間ギャラリー陶芸
難しそうですがこれも教えてもらえるようです。
茨城県の笠間焼のギャラリーにて竹工芸教室も開かれているそうです。
以上4種類の美しい丸い器、いずれも日本の竹工芸です。
これらは誰かが最近発表したデザイン、とかではありません。
多少の個性、多少のアレンジはあるかもしれないけど、昔から作られてきたもの。
竹の特性を活かしたデザインはある意味とっくに到達点まできているのかもしれません。
編み方にみんなちゃんと愛称みたいな名前がついているというのはそういうことではないかと。
誰が作ってもわかりやすく美しい、普遍的なデザインは、これからもきっと作り続けられていくのでありましょう。
一方こちらは西洋のかごです。
これまた美しい。
星のようですとでも言いましょう。
出自が正確にはわからないのですが、ポルトガルのかごのようです。ヤナギ素材です。
出典:pinterest
ちょっとラフな似たもの。
出典:Beauty for Ashes
日本のアンティーク屋さんにも。
出典:nonsense
ケルティック・ノットという渦巻き模様を思い起こすようなこれらのかごは、古代ヨーロッパのケルト文化によって育まれてきたもののようです。
おそらくどれもwillowとかwickerと呼ばれるヤナギ素材です。
しかし竹が平面的な素材でヤナギが丸い素材だという違いはあれど、華やかな雰囲気と可愛らしいかたちは日本の竹工芸にも共通のもの。
このような丸いかごはかご編みの華だなあと思います。
四角いかごは便利だけれど、やっぱり機能重視の現実的なものだとつくづく思いますね。
私も自分なりの丸い器を作ってみたいものだと。
出典:etsy
もうこれなんて、ヨーロッパのヴィンテージという体でEtsyで売られているわけですが、竹のようにも見えてラタンのような気もするし、
ラタンの人が竹を真似してみたのかもしれないけど逆かも知れないし、
なんとなくアメリカの50年代っぽい気もするし。
西洋のかごと東洋のかごも実は、どちらが先でどちらが影響受けてるとか長い歴史の中ではもう多分はっきりとはわからないくらい、一筋縄ではいかない複雑な進化をしてきているのではないかな、などと思いますね。
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