編組の丸い器を編むために③うろこ編みのかご
バスケタルの屋号で籐のものを作って売っています。
今は手提げ中心。
なんとか手提げ以外の、どこかに置いて使う容器を作ろうと、いろいろ見たり聞いたり考えたりしたことを書いてみています。
このかご、可愛いでしょう。
これは今年の1月に秩父皆野町の講習会で、現地の笹を採って作り方を習ったもの。
ほぼ1年たってすっかり枯れ色になりました。
作りたてはこんな色でした。
「みかんかご」という名前です。
全くはじめて作ったかごで、このときは何も知らなかったのですが調べ始めるとこのような形はよくあるようです。
いろんな素材、日本のものも外国のものもあります。
籐でもあけびでも作られて売られています。
大きいものだと脱衣かごや洗濯かご。
お馴染みの「竹虎」さんにも脱衣かごが。
出典:竹虎
材料も編み方も私が習ったのとほぼ同じ感じに見えます。
ただ、かなりの大きさ。
記事によると上質のメゴ笹があまり採れなくなってきた上、上手な職人さんが減ってしまって、今や幻のかごになってしまっているとか。
残念ながらしばらく欠品状態ですが、項目が削除されていないことも、文章から感じられる名物社長の思い入れかもしれません。
私が習って作った小さなかごでも、使った笹の茎は1mのものでした。
これだけの大きさでこれだけの美しく揃ったかごを作りあげるのはまさに職人芸。
まだまだ自分にはまだそのすごささえわかっていないのだと思います。
竹虎さんには同じような編み方でシダのかごもありました。
沖縄につたわる「わらびかご」というのも、シダ類の植物の茎をつかったもの。
出典:みんげい おくむら
やっぱりこの形は、節だったり不揃いさだったり、その素材そのままの個性を活かすのに向いているのですね。花びらのような縁編み「うろこ編み」の部分が特に。
そのままの編み方で籐で作ってみたことがあったのですが、まあかわいいことはかわいいけど個性がありません。
「松野屋」さんの脱衣かごは籐ですが、「丸芯」ではなく「丸籐」という茎そのままの材料を使ってあります。
出典:松野屋
荒々しさもちょっとある、茎をそのまま使うかご編みに羨ましさもあります。
単純な編み方であるほど材の特徴が目立ちます。
というか材の特徴を活かすには単純な編み方が向いています。
また、ここで登場した笹やシダや丸籐では複雑な編み方はできません。
この編み方は、これはこれで完成して定番となって世界中でいろいろな素材で作られているわけですが、やっぱり丸芯ではそれらを形だけなぞったもの、真似になってしまいます。
完成度を高めていく方向もあるでしょうけど、下手な私が下手な真似をする意味もありません。
すこし違う方向へ、すこし丸芯らしさをいかせる方向へと考えを進めていきます。
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