明日から消費増税。
籐のかごやかごバッグを作って売っています。
◆ ◆ ◆
9月30日です。
夏の暑さがようやく落ち着き、私にとってはかごバッグの受注が途切れ途切れになってくる不安な季節の始まりです。
そんな中、みなさんご存じのとおりあと1日で消費税が10%になります。
自分が登録しているネットショップも軒並みシステム変更の為のお休みになっていたり、早々と値上げのお知らせを下さるところもあったり、着々と世の中は変化しているようです。
性格的にまずこういうことから目をそむけてしまうんですが、そむけていてもやはり諸々のことが確かにのしかかってくる気配を感じます。
本当に本当なの?こんな状態で増税なのとひとり呟く言葉もむなしく虚空に消えていきますね・・・。
もとより今のところ、iichi、minneのようなネットショップのページには、税込みとか税抜きとかの表示はありません。
おそらくはみんな売上1000万円以下の免税事業者であろうということだと思います。
ではあっても材料費、配送料金、その他諸経費の値上がりはもちろん負担増ですし、増税による消費意欲の冷え込みがハンドメイド作品みたいなもの(基本的にはなくてもいいようなものと言えば言い過ぎですが)をあえて購入していただくモチベーションを下げさせるのは疑いようもありません。
◆ ◆ ◆
ところで、私の商品ラインナップの中に、「薄褐色仕上げオプション」というのがあります。
生成りの籐かごを薄褐色にする着色仕上げのオプションなので、かごと同時に購入していただくものです。
(左が生成りの籐かごバッグ、右が仕上げオプションを施したものです。)
以前商品写真を ↑ こちらにしていたせいだとは思うのですが・・・
単体で売れてしまうのです。
別の形のバッグの例も載せていたし、本文で説明もしていたし、そもそも商品名が仕上げオプションなんですけど、かごバッグ本体と勘違いされて、よく売れました。
なぜか。それはもちろん安いから、です。(ご説明し、キャンセル処理させてもらいます。)
「810円は間違いではないですか?8100円だったら買いません。」というメッセージと共にご購入いただいたこともあります。
これはやっぱりちょっとこたえました。
私のかごバッグはどれも12000~13000円台なのですが、810円で買うつもりでいたら、8100円でもすごく高い、ということですよね。
でもどのかごもかごバッグも、1日半~2日、自分の全神経を集中させて作っているものです。形も編みも日々検討を重ねていつくしむように成長させていっているものです。
熟練工でもない名もない中年の女が世界の片隅でひとり作っている、簡素なただのかごではありますけどね。(泣。)
いや、でも、その方を責めることはできません。私たちはそういう視線が普通である中で商売をしているんです。
安くないと売れないから、かごバッグもそうですが身の回りにあるものの多くが人件費の安い国で作られて、生産コストをギリギリまで絞られていますよね。
本当のことを言うと、材料費と諸経費、製作にかかる時間を計算して利益を見込んだら、今の価格でもいいはずはないのです。
でも世にある同等の品物と見比べたら、かなり割高な根付け(=適正な値付け)をできるまでの自信がまだありません。
まあこれは、私自身の問題です。
そこへもってきて、消費増税です。
加えて、数年後には1000万円以下の免税措置が事実上廃止になるということも聞きます。中小零細どころか、零細とも言えない超零細、極零細はもう生き残る余地はないのではないかとも思えます。
◆ ◆ ◆
自分の手で何かを作って売って暮らしていくということはやはり難しいのか。
誰かの扶養に入っているとか、ほかに仕事を持っているとか、もしくは年金をもらっているとか、ということでもなければ、・・・なのか。
iichi、minneでハンドメイド作家!というのはそもそもそういうことなのかなどとも思います。
かご作りを始めて、5回目の夏が終わりました。
この先に道があるのかないのか、いまだにはっきりとはわかりません。
でもあるとしたら、できるだけいいものを作って、それをできるだけ知ってもらうことでしか続いていかないとは思います。
心苦しいことですが少しずつ値上げさせていただき、それをご理解いただけるようないいものを生み出せるようにやっていくしかありません。
多量の愚痴を含む記事なってしまい、申し訳ない。
でも対照的に、かご作りはどんどん楽しくなっております。
人の手が生み出すものの楽しさみたいなことは少しずつお伝えできているんではないか、そうでないとな、と思います。
◆ ◆ ◆
いよいよ明日からです!!とテレビではアナウンサーさんがなんだか楽し気。
イベントか何かみたいです。
そして増税対策としてこうやって家計を切り詰めよう!みたいな特集。
やめて欲しい。そういうのはもう皆さんやりつくしていることと思います。
切り詰めるとかでなく、逆の方向にしか明るい未来はないんじゃないの。
逆の方向ってどういうことか、経済学に明るくないから詳しくはわかりませんが、例えば人の手仕事の価値を見直してもらうということもそれに含まれるかも知れないとなんとなく思います。
だとしたら自分のやっていることと無縁ではない。
目をそむけていてものしかかってくる気配は、いざ見ようとしてみると大きすぎて解決策が見えない問題であった。
今日はこのくらいで。
明日からもどうぞよろしくお願いします。
(最新情報はインスタグラム MORIBASKET です。)
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