寅さんの妹さくらの買い物かごスタイル

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絵画・映画・TVの中のかご
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「男はつらいよ」は渥美清主演、山田洋次監督の有名なシリーズです。

第1作が公開されたのは1969年。

東京の下町の商店街が舞台です。

厳密にいうと柴又は東京の下町ではないという意見もあるようです。

すでに下町文化みたいなものがイメージの中のものになりつつあったのかも知れません。

 

渥美さん演じる寅さんのスタイルは一貫して変わらず、バッグはトランクをぶら下げているイメージがありますが、妹のさくらにも多分だいたい決まったイメージがあります。

まとめ髪にエプロン、そして買い物かごを持っている感じ。

 

私はちゃんと映画館でこのシリーズを見たことはありません。

それでも物心ついたころから何かにつけて目にしてきたせいか、主な顔ぶれはだいたいわかります。きっとある程度の年の人ならそうだと思います。

 

毎回変わる「マドンナ」は、よその土地から訪れる人達なので、お出かけスタイルだったりお仕事スタイルだったりして買い物かごとは無縁でした。

 

以下が松竹映画の公式YouTubeで探せたさくらの買い物かごスタイルです。 

全てShochikuOnDemand公式youtubeより

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私が見ることができたのは予告編だけなのですが、それでもこれだけの場面でさくらが買い物かごを持っています。

確認できたのは1978年の21作目まででした。

 

なんと毎回違う可愛いデザインです。

子供のころはわからなかったけど、さくらさんというのは結婚したての若い女の子だったのですよね。

若いお嫁さん(という言い方も古いが。)向きの、ちょっと可愛くて高級品ではないバッグ、という感じのものでしょうか。(今のかごブームみたいな「自然素材の手作り品」的な位置づけじゃなく。)

カラーのボーダーの部分とか2番目の第6作のなんかは全体的に、荷造り紐みたいな科学繊維かな。昭和って案外そういう感じだったかもな・・と思います。

 

中原理恵が出たり、樋口可南子が出たりして、いかにも80年代という感じに画面が変わっていくと、さすがに買い物かごは見当たりませんでした。

商店街のお店屋さんを何軒か回って買い物をするスタイルだったのが、スーパーでまとめて買ってレジ袋に入れて帰るスタイルに、80年代にはすでに変わっていたのだと思います。


前回取り上げた東京物語からは15〜25年くらい過ぎた時代になります。

私が育ったサラリーマン家庭ともまた違うけれど、時代の空気はなんとなくわかります。

10年単位でどんどん変わって行く、女の人たちのあり方の変化を、見た気がしました。

 

 

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