これで行こうと決めてからもなんだかんだでいろいろある②

moribasket
製作・商い 2015
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ハンドメイド通販サイト「iichi」さんでかごバッグを販売しています。

一昨日に引き続き製作にまつわる小ネタです。

たくさんの人の役に立つような記事にはなるまいと思いますが世界のどこかにはかご編みの縦芯の倒れに悩んでいる人もいるかも知れないと自分に言い聞かせながら書いてみます。 

夏の四角いバッグでも秋の細面のバッグでも「よろけ編み」という編み方を採用しています。正面からみた姿はこんな感じ。 

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普通は縦にまっすぐ通っている縦芯が右往左往しています。

2本一組のペアで編み始めた縦芯を、途中で隣同士の1本ずつ強引に寄せて新しいペアにして何事もなかったように編み続けます。

それを一定の高さで繰り返すとこのような水の滴が連なったような模様が出来上がります。

 

縦芯が右往左往することで表面はボコボコした小山のような、葡萄の房のような凹凸を持ちます。

ふわふわと、やや曖昧な輪郭になり「ニュアンスがある」とでも言いたくなる雰囲気で私はとても好きな編み方。

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しかしとても気になる点が。それは「縦芯の倒れが目立つ」ということです。

かご編みは(私の場合だと)右回りに編んでいくので、どうしても縦芯は右に倒れがちです。

倒れやすいのは底を編んでから立ち上がる部分と編み終わりの留めの部分。

この2か所とも私は、細くて頼りない材に強度を持たせるために「内返し」ということをしています。

これが結構強引に材をひっくり返して曲げていくので普通にやればまず倒れてしまいます。

 

やるべきことは曲げるときにできるだけ鋭角にすること。

そして倒れない方向に向けて力を入れること。

ここでよく濡らしておかないとすぐにパキッとおれてしまって心も折れます。

それからその後、正しいポジションを意識して編んでいくこと。これに尽きます。

 

そしてよろけ編みの特性上、縦芯の感覚を広めにしていることと、縦芯を右往左往させていることにより、他の編み方に比べて縦芯が動いてしまいやすい、「遊び」を持ってしまっているのです。

そんなわけで、同じように作っていても、この編み方だけ上端と下端が「倒れ」てます。(左側の写真。)

この状態は、「味。」ではなく「下手だ。」ということに決めました。

なので、編み地で工夫してみました。(右の写真。) 

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最初と最後の縦芯が長く伸びていると倒れも大きくなりやすくて目立つので、上端と下端の縦芯フリーの部分は短くなるように柄を調整。

下端は縄編みの分量も多めに。

編み上げてから目打ちをつかって微調整もします。

これでかなり倒れの少ない、均等な模様に見えるようになりました。

意識的にきちきちと作ってできるだけ遊びを少なくしたことで全体のシルエットも整ってきています。

 

肉眼ではいろんな方向から見るからそれほど気にならないことも、写真だととても目立つし気になります。でももうこれで写真も大丈夫!

 

検討は続きます。

 

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