縄文ポシェットは樹皮のバッグなのでした。

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かごにまつわる
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縄文ポシェット、は通称ですが、すでにこの名でよく知られているようです。

青森県の三内丸山の縄文時代の遺跡から出土した編組製品で、立体的な形が分かる全国唯一のものなのだそうです。

作られたのは5500年前。幅約10㎝、高さ約16㎝。ヒノキ科の樹皮を編んである。「網代編み」です。竹工芸や、山葡萄などの樹皮のバッグでもすごくよく使われる編み方ですよね。

そして中に胡桃が一つ、入っていたそうです。

 

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出典:特別史跡 三内丸山遺跡ホームページ

 

 

小さいな、と思いました。農具、という種類の背負いかごなどに比べるとほんとにポシェットサイズ。ケータイと小さいお財布くらいしか入らない。

収穫用とかではなく、何か道具を入れたり、ちょっとしたおやつ的な食べ物を入れたり、したのでしょうか。

いずれにしてもこのキチンと緻密に編まれた感じは、身に着けてお洒落にも感じるようなものだったのかも知れない、というのは私の感想です。

身の回りの物は全て自然から手作りしていたわけだから、その物の存在を今の私たちが同じ感覚でとらえるのは難しいことですが。

 

海外の例でいうと、オーストリアとイタリア国境付近のアルプス山中で発見された約5300年前の「アイスマン」(凍結ミイラ)も草縄と樹皮、毛皮で作られた背負いかごを背負っていたそうです。

蓑のようなものを身につけている姿(絵に描かれたもの)を、見たことがあります。

やっぱり、そこに草があれば縄状にして編む、木があれば皮を剥がして細くして編む、しなやかな蔓があればもちろん編む、ということなんですね。

 

そしてこの彼はエッツ渓谷で発見されたので「エッツィ」と名付けられたそうです。え?エッツィ?

と言えばあの世界的なハンドメイド通販サイトの「Etsy」を思い出します。Etsyのホームページを見ると名前の由来は創立者しか知らないとのこと。

Etsyの本社はアメリカですが、もしかしたら何か関係ある意図を持ってつけていらっしゃるのかも知れない、と思いました。

 

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