「仕切りのあるかご」と「重ねられるかご」に至るまで(前編)
前回からの続きです。
この秋に出した「四角いバスケット・仕切りのあるかご」と、
さいきん出来上がった「四角いバスケット・重ねられるかご」。
今までに作った四角いバスケットとは少し違う特徴を持たせたものになりました。
そうなったのには・・・
まずこういうのに対するあこがれがあります。
「裁縫箱」、「ソーイングボックス」ですね。
大工道具の道具箱にも近いものがあります。
2つのタイプのリンクを貼りましたが、どちらもトレー状の上の段は細かく仕切られていて、下の段(本体)は仕切りのない空間になっています。
存在自体が今やクラシックなものでもある裁縫箱、なんとなくもう少しデコラティブなものを想像します。
この写真のものは倉敷意匠らしいあっさりしたデザイン。
いいなあと思います。
デコラティブな裁縫箱というとどんなものかというとこういうのです。
これは籐ではなくておそらく昔の籐のものをヒントにデザインされてるのだろうなと思います。

「籐」製で今、楽天などで買えるのはこんな感じのものですね。
どちらも蓋を開けると中にトレー状のかごが入っていて、トレーにも本体にも仕切りがあります。
本体の仕切りにトレーが乗っている作りです。
そしてどちらも全体的に金属のフレームが入っているようです。(仕切りにも。)
私はフレームは使わないことにしているので(小さなこだわり。)、ここまでのものは作れそうもない、ということはまあもともとわかっていたことではありますがここで再確認です。
ちなみにワイヤー等を使わない自分の作り方で、内側にトレー状のものを仕込むということをしてみたのがこちらなんですけども。
全然だめです。

写真で見るとちょっとかわいいですけどね。
本体の縁編みを延長して「受け」を作って、トレーが乗っかるようにしてあります。
アイディアは悪くないと思う、いつか余力があったら再挑戦できるか?うーん、というところです。
そして、こういうものも好きなんですよ。
無印にいくたびにじっと見てしまうアクリル収納シリーズです。
アクリルも厚みがあって美しいし、システマチックにできていて組み合わせが何通りもあるようです。
今回このシリーズを使って、というか組み込んで、何か作れないかということをかなり考えました。
つまり、ほどよい深さの仕切り付きアクリルボックスがちょうど入るようにかごを作れないか、ということです。
具体的にどれをどう使うかまで考えたのですが・・・
実際には編み上げた後にアクリルボックスを入れた場合、どうしても丸みのあるかごの角とアクリルの尖った角が合わないだろうなという結論になりました。
ただし、後から入れるのでなく、アクリルボックスを「型」として使って編み上げてそのまま外さずに仕上げるということはできるかもしれないなとも思います。ガラス瓶を包み込むように編むかごもありますし。
それにはこういう角丸のほうがしっくりきそうです。
フレームを使わないということに反するかもしれないけど面白そうではあります。
が、今までの作り方とはずいぶん違うものになるし、籐だけでやれることがまだまだたくさんあるうちはやらないんではないかなと思います。
以上大きく分けたら2種類、どちらも仕切りがあったり、組み合わせたりして何を入れるかを考えを巡らすことができるような入れ物です。
卓上のものについては「オーガナイザー」という呼び方も最近は一般的になってきています。
裁縫箱やアクリルボックスをそのまま採用することは無理だけど、自分の今まで作ってきたものをふまえて「オーガナイザー」的なものを作るとしたらどういうものになるのかと考えたことが、今回の2種類のかごにつながりました。
今までいくつかの「四角いバスケット」を作ってきましたけど、それらをお求めいただいたような、用途が合って欲しいと言ってくれた人やかご好きな人「以外」の人にもプレゼントしたりできるように、と考えてきたこともまた今回の道筋につながる助けになりました。
自分の志向でもあるし、広くお求めいただくことにもつながれば、ということです。
できたものについてのご説明は、長くなってしまったのでまた次の記事です。
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