バスケタリーランチボックス!!京都半兵衛麩本店「お辨當箱博物館」にて

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かごにまつわる
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去年の暮れ、お昼時、京都鴨川五条大橋のそばのお麩のしにせ「半兵衛麩」本店に伺いました。
木造の町家と石造りの洋館が繋がった建物です。
そんなに人の多くない普通の町かどにあります。

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1階にお店があり、茶房があり、そこでいただいたお昼は、「むし養い」。
(その意味は「京言葉でお腹の虫を養う軽い食事」とのことで、京都らしい謙遜なのかなと思えてこちら側からそう呼ぶのはちょっと気が引けます。)
お麩とゆばづくしの上品なお食事は興味深く、私にとっては軽くはないコースでした。

茶房|お店について|半兵衛麸 -創業元禄二年。京麸・湯葉を手作りしています。-

半兵衛麸は、京都の麸、ゆば専門店です。元禄二年(1689年)の創業以来、三百年にわたり料亭や寺院本山に納入し、伝統的な食文化の発信と継承に努めています。

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ところで本題はここから。
店内2階にある「お辨當箱博物館」です。
「伝統的な食文化の素晴らしさを後世まで広く伝えたいという願いから」、昔のお弁当箱が多数展示されています。

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https://www.hanbey.co.jp/responsibility/museum/

ひとつひとつが贅を尽くしたリアルお雛様のお道具!と言いたくなるような品々。
壁にかかっていたのは昔の貴族たちの桜を見る会の図です。
黒漆に金の蒔絵、流水に雲、花鳥風月というよくあるデザイン(とはいえそれらの最高峰みたいなもの)以外にも、
こんなポップとおごそかが同居しているようなのとか、

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メタリックな不思議容器とか、

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普通の食器ではよく見るけどこんな形のものはまず見たことがない、青い染めの陶器で作られたものとか、

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わりと自然な花鳥を描いた可憐な家具調のものとか、

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外でお湯を沸かすための装置と思われるものとか、

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入れ子にもほどがあろうというようなものとか、

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螺鈿だけでもすごいのにフェンディのズッカ柄みたいなところもあって構造的にも趣向を凝らしてあって実際にこれが使われたならその一部始終をドキュメンタリーで見てみたいと思うようなものとか、

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とにかく一目で心を掴まれるようなお品ばかり。
(いつ頃のものとか用途とかちゃんとした説明がなくてすみません。)

そしてなんといっても一連の「夏用弁当」。
かご、なんです。

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こんなものが作られていたのですね。
細かく美しい編み目です。
細部の収まりも突き詰めてある感じです。
右のはそれに加えて遊びもあるというか一段ごと編み方を変えてあります。
こちらも。

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おかもち的なセット。
ケースは木でできていて、竹細工は小分けの容器と、建築でいう建具とか内装みたいな部分ですね。
そういう意味でも日本の家みたい。
書院造みたいで蒔絵や螺鈿のような「贅を尽くした」というものとはちょっと違います。

1階に降りると、似ているけどもう少し質実な感じのするものが展示されていました。
実際に半兵衛麩のお店で使っていた道具のコーナーです。
2階にあったもののように華やかではないけど、よく見るとやはり1段ずつ柄が違えてあって、お洒落です。
素晴らしい。

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(余談ですが)

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(ここを訪ねた時ちょうど私は「お重」みたいな重ねられる四角いバスケットを作ったばかりでして、似てる!と言いたいけどやっぱ全然違う!影響されたわけじゃないんだけど間接的にはめぐりめぐって結局多分影響されてる!とプチパニックでした。)

・ ・ ・

博物館は見学無料です。
自分の惹かれたものばかりご紹介してしまいましたが、まだまだ他にたくさんの豪華お辨當箱が並んでいます。

1階のお店にあるお麩も見たことないようないろいろな形と色、きれいな贈答用のものとかお菓子とか、調理されたものとかじつにさまざま。
洋風で豪華な応接間があったり京都の町家らしいお台所があったりする建物そのものも歴史的な価値のあるものでした。

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半兵衛麸は、京都の麸、ゆば専門店です。元禄二年(1689年)の創業以来、三百年にわたり料亭や寺院本山に納入し、伝統的な食文化の発信と継承に努めています。本店についてのページです。

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