椎名林檎「人生は夢だらけ」。
椎名林檎さんの新アルバムが発売になりましたね。
「逆輸入 ~航空局~」。
彼女がこれまでに他の歌い手の方に提供した楽曲のセルフカバー集(第2集。)です。
その中で、「おとなの掟」に次いで取り上げられることの多いように思う「人生は夢だらけ」。
あ、あのかんぽ生命のCМ、林檎さんだったんかと驚いてるうちに序盤の歌詞でもう心をつかまれていました。
「この世にあって欲しいものを作るよ小さくて慎ましくて」
「こんな時代じゃ手間暇かけようがかけなかろうがしまいにはいっしょくた」
「きっと違いの分かる人はいます そう信じて丁寧に拵えて(こさえて)ましょ」
かごづくりの、手も止まりましたよ。
映像では、少女二人のピアノの連弾とともに静かに歌い始めた林檎さんが一転力強く、暗い空間から町へ歩き出します。
緑のコートはお母さまから譲り受けたもの、胸元のネックレスは4歳のお嬢さんが手作りしてくれたもの、なのだとか。
この姿とこの歌詞。私もそうですけど多くの人の心の中にしまってある思いが呼び起こされたんじゃないでしょうか。
手作りのものづくりをしている人なら特に。
しかしこの歌、穏やかな幸せ、丁寧な暮らし、幸せはあなたの隣にある・・・という風に続くわけではなく、
大人の人生のキビを林檎さんらしく描いて最後は叫ぶように、
「それは人生 私の人生 ああ誰のものでもない」
「奪われるもんか私は自由 」。
今の世の中、ここまで声高に自由を叫ぶ歌ってあります?
なんかうれしくて、笑ってしまいました。
戦争に反対したり窓ガラス壊したりする歌ももう昔のもの。みんな空気を読むことが上手で洗練されたセンスを競い合うようなこの時代ですから。
林檎さんが林檎さんらしい人生を歩んでいくのは、お洒落で踊るような足取りだけどそれはやっぱり戦いで時に喧嘩腰なのだと、笑いながらちょっと泣いているような歌で伝わります。
やさしくて強くて自由な、ものづくりの姿勢でもあると思いました。
「特に日本を支えるお母さんたちに、毎日の夕餉のための水仕事の時などに、お台所で口ずさんで頂けたらうれしい」とのことです。
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