籐のトートの新柄「2015」を作りました。

moribasket
製作・商い 2019
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4月半ばに出品した手提げかごです。

前回の記事で書いたように、丸い器の透かしの混じった編み方を過去を振り返りながら考えて作っていたら、同じ気持ちが手提げの方にも向かってしまい、予定にはなかったのですがわりと急遽作って出品いたしました。

「籐のトート 縦型(2015/生成り)」。

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リクエストにお応えして横型も。

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ずいぶんバランスが違うので、縦型に使われている要素をギュッと凝縮するとやっぱりうまくいかず、大胆に上半分をカットしました。

下半分だけの編み方。

上下対称なので納まりがいいのは当たり前といえば当たり前ですが、スッキリ、シンプル。

縦型とは一部同じなのに結構違う、かごらしい可愛らしさが発揮されてるように思います。

 

ところで、この編み方のもとになったのはこちらの、四角い手提げの2015年バージョンです。

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「バスケタル」を始めたときにまず並べたこの3つの手提げのうちの一つでした。(右端。)

まだまだ四角をきちんと作るのもやっとだった頃なのに、よくこんな模様をと今では思います。

でもこういう、透かしやいろいろな模様を盛り込んだものを作りたいという気持ちはわりと最初からはっきりあって、それがこの手提げや、丸い器になりました。

たしかいちばん最初に iichi のツイッターに取り上げていただいたのも、いちばん最初に売れたのもこれだったと思います。

 

でも少しずつ知識が増えて見る目が肥えてくるにつれ、無謀だったとわかってきました。

目の詰まった編み方でも難しい「四角を作る」ということに加えて、四隅に正確に持ち手を付けるということを、形が不安定になりやすい透かし編みのかごでやるってことなので。

まあ無理にでも肯定的に捉えさせていただくと、かごは多少歪みや不揃いがあっても可愛いものではあるので、この時のこのかごについては、そういう観点と、目指していたデザインの良さで受け入れていただけたのだと思っています。

 

でも今は、自分がコントロールできる範囲を把握してその中で作りたい。

それでいくと、これはこのままでは作れず、わりと早めに四角い手提げはよろけ編みだけを残してあとは編み方を何度かチェンジしてきました。

ただ、無謀ながらも最初からこれを作っていた当時の感覚(気持ちだけは冴えていたと思う。)を引き継ぎたくて、今回トートで模様を復活させ、編み方の名前は「2015」としました。

 

こちらはその後作っていた「山の手提げ」。

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この手提げは上が窄まっているので、形が不安定になることもなく、この編み方には向いていました。

ただこの後、この手提げにあまりにもフィットしている太縞(↓ 右)に合わせて同じ調子の透かし太縞(↓ 左)というのを作ったので、やや繊細でランダムな透かし編みは作らなくなっていました。(形も結構変わっていますが同じ気持ちで作っている「山の手提げ」。)

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というわけで心残りがありながら宙に浮いていたこの編み方でしたが、今回の「籐のトート」なら、底形は安定した丸に近い八角形だし、持ち手も四隅から立てるものでないので技術的にも問題なく、シンプルな形に華やかさを添えられて、見た目的にもとても似合いました。

 

オプションで薄褐色にもできます。

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minne でも販売中。

編み方についてはもうすこし詳しく、次に続きます。

 

 

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