「かごの鳥」の歌、いろいろ。
籐のかごを作って売っています。
先日、ドラマ「黒革の手帖」を見ていましたら、江口洋介扮する政治家が、俺たちは所詮かごの鳥云々・・と口にしていました。
かごの鳥。結構使う言い回しです。
自由に飛び回ってはいてもそれはかごの中だけ、本質的には自由になれない身だというような意味ですよね。
この場合の「かご」は当然バスケットじゃなくてケージの方ですが、かごという言葉の持つマイナスイメージが気にかかります。
歌もあるのご存じでしょうか。「籠の鳥」。大正時代の、デュエット曲なのだそうですよ。
子供の頃、懐メロとして聞いた覚えがあるような気がしないでもないですが、歌えるほどではないです。なんとも言えないこの暗い感じ、私にとっては近寄るのを避けてきたタイプの歌で。
昭和になってからも森繁久彌、小沢昭一、石原裕次郎、ちあきなおみといった数々の有名歌手によって歌い継がれたらしいので、きっとたくさんの人から愛された歌なんでしょう。
私事ですが、たしか高校の卒業式のあとの謝恩会でおじいちゃんの先生がこの歌を歌ったんですよね・・・前途のある若い子たちの前でなんという歌を歌うのだと私は思ったのですが周りの人は案外聞き流していたような・・・変な思い出です。
みんなが共感できるような歌だった、普通に宴会で歌われるような、ということですかね・・
藤圭子のすごい歌唱。こちらならある程度私も大丈夫です。
「かごめかごめ」という歌もありますよね。これになると歌詞の意味にも諸説あるみたいで、どういう「かご」なのかもはっきりわかりませんが(詳しく調べません。)とにかくこちらも暗く、恐ろしいんですよね。
なんだろう、逃げるに逃げられない社会の掟みたいなものを表す役目をかごが負わされています。編み目の隙間から外が見えるのに外へ出られないことを連想させるからでしょうか。一目一目編むことで執念とか怨念とかが籠っている感じがするからでしょうか。
時が過ぎ、こちらはミスター・チルドレンの「Bird Cage」です。2002年のアルバム、『It's a wonderful world』に収録されています。
ミスチルの曲の中でも暗く、 息苦しさを感じさせるタイプの曲です。
「間抜けな神様が僕らをつがいで飼おうとして狭い鳥かごにいれたなら今頃絵に描いたような幸せが訪れていたのかなあ、発狂しないで僕ら暮らしていたかなあ」というような歌詞。
ここで鳥かごに閉じ込められるのは一人でなくて二人、しかも実現しなかったようです。恋愛の一場面を鳥かごに絡めて語るにも、やっぱりその環境や心情は昔と今とで違います。
社会的制裁を受けるから鳥かごから出られないとかではなくて、鳥かごに閉じ込められそうな二人の世界のことだけに関する歌。発狂するという言葉を使うのも今ならでは、ミスチルならでは、ですね。
Charの在籍したバンド「PINK CLOUD」にもこんな歌が。
曲調もゆったりとして、歌詞も具体的な描写があまりなくて心地よいくらいなんですが、歌っている内容はというと
「頭の中はからっぽで心の中など話せやしない/だまし、だまされ傷ついて空へ飛び立つかごの鳥/ああ、あくびが出そうで出ない」というような、漠然とうっすらと共感してしまうような雰囲気。
社会の枠組みとか、恋人との関係とか、なにか具体的な「かご」が出てこないけれど閉じ込められている感があることだけははっきりしていてこの人は酸欠になっているという・・・
海外に目を転じても、やはり同じようなモチーフで歌が作られ、歌われているようです。
同じようなモチーフとは言っても、やはり微妙にいろいろなのだと思います・・
時代が変わり社会のありようが変わっても人は閉じ込められてる感覚を持つもんなんでしょうね、と言ってしまっては身も蓋もないかな。
自分のやってることと関連づけて何か語ろうかと思ったが特になし。
閉塞や狂気に関係あるものを編んでるつもりは全くありませんし。編んでる自分が狂気の沙汰めいてる気がすることはたまにありますが。
以前取り上げたグリーンデイはバードケージじゃなくてバスケットケースでした。こちらは明るい狂気。
この方が私にはしっくりきます。内容が、というより雰囲気が、ですけどね。
パフィもカバーしていました。
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